はやぶさ、そうまでして君は

読書中に、何度泣いた事か!!!!

事実は小説よりも奇なり。浪漫がある!

世界初の小惑星サンプルリターンを成功させた

はやぶさの構想から最期までのお話。


⭐︎お勧めしたい人⭐︎

JAXAや宇宙研究に興味がある人。

生きる事に疲れた人。

目標や未来が見えないと悩む人。

大きな目標に向かって頑張ってる人。

動物の泣ける系話が好きな人は涙腺崩壊。


はやぶさと川口さんはじめチームの旅は、希望を灯してくれる。

読み終わった後には、自ずと、やる気が溢れてくるよ!


◉感想◉

はやぶさは機械だけど、機械を超えた何かだったと思う。

この本を読むと、はやぶさにも命が宿ったと思ってしまうんだよね。


さて、この本は、小惑星からのサンプルリターンを目的としたプロジェクトの

リーダーである川口さんご自身による実話。

プロジェクト発足よりもっと前、小惑星サンプルリターンの構想から

はやぶさの帰還までのことが詳しく書かれているよ。


7年間に及ぶはやぶさの全てが、

意図したわけでもないけど起承転結のストーリーになっていて

(転が多すぎる気もするけど笑)

先が気になってどうにも止まらなかった。

これは小説としてストーリーを楽しみながら、

宇宙や宇宙開発の知識が学べる一石二鳥の本でもある。


中でも一番印象に残っているのは、第5章。

はやぶさが突然音信不通になってしまって、宇宙で迷子に。

幸運にもはやぶさからのSOSが届き発見したものの、はやぶさは満身創痍。


そんな中で、プログラムに書き込んだわけでもないのに

リチウム電池の補充電回路がONになっていた奇跡。

これがONになっていなければ、回収したサンプルを耐熱の保護容器に

移し替えることができなかったらしい。

機械である以上、プログラムされていない動きを出来るわけがない。

でも現実に、はやぶさはそれをONにしていた。

私には、命があって、チームのみんなと呼応したとしか思えない。

ここでボロボロ泣いた。


ギリギリのところで、はやぶさはすべてのミッションをクリアした。

その偉業には世界初となるミッションがいくつもあった。

かのNASAでさえ、リスクが高すぎるとやらなかったミッションが。


そうして日本人でも、限られた予算の中でここまでやれるという、

誇りと希望の詰まったサンプルを地球へと手渡し、

はやぶさは大気圏の中で燃え、流れ星になった。


リスクを恐れていては、先に進めない。

完璧な準備などなく、やれることをやり尽くすのは大事だが、

問題にぶつかった時に全力で解決していく。

そうしてこそ真の成長、真の前進があるんじゃないかと思った。


川口さんがサンプルリターンの構想に出会ったのは1985年。

1996年にプロジェクトが承認されて、2003年5月に打ち上げ。

帰還は2010年6月13日。

川口さんは約15年、はやぶさと付き合い、成果を上げた。


そして、そんな川口さんを導いたのは、

当時宇宙研にいた人々なのだろうと思う。

そして宇宙研の生みの親である、糸川さんがいたこそだろう。

私が尊敬する川口さんにも、尊敬する人がいて、

こうして綿々と思いは受け継がれていくのだろうなと思った。


とかく、すぐに結果を出し求めたがる昨今の世の中、

今一度長期的な視点で物事を考えて進めたいと思い直した。

宇宙開発もそうだけど、林業も100年仕事。

今の世代で植えた木を伐採して使うのは、孫子の世代になる。

そんなに先のことまで考えて仕事をしている。

それが未来を考える事に繋がると私は思う。


宇宙を語ることは、過去以上に、未来を見つめることなのだと思う。

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