フェリーの船酔い攻略法!

どうも。
12時間の悪天候航行を耐え抜いた勇者です。いやはや、この世にこんな地獄があるのかと驚きました。

今回私が経験した航路は、シェットランド-アバディーンという、とてもマイナー航路。

私は搭乗時、乗継の電車早いやつにしておけば良かったなあ…どうやって時間潰そうかなあと、悩んでおりました。そしてラウンジの窓に雨戸がされているから、景色が見れなくて残念だなあとも。

そしたら…船員のお兄さんがやってきて、こう言いました。

「今夜の天気予報はチェックしたかい?」
「…いいえ?」
「今夜は大荒れになるよ。ここは一番揺れる場所だから、出来れば移動した方がいいと思うよ」

親切に忠告してくれたのです。いやあ…天気や揺れの事なんて、すっかり頭にありませんでしたわ。まじかい。揺れるのかい。

すっかり心配になった私は食事を早々に済ませて、出航と同時に眠りにつきました。しかし…出航して間もなく、私はこの先に待ち受ける現実を知りました。

揺れるというより…もはや浮いている。

向かい風の中、大波に乗り上げる船。大波を乗り越えようと登っているんです。ぐうんと身体が持ち上げられる感覚が私を遅い、波の頂点に達すると、ジェットコースターのごとく勢いよく下がっていく船。

そして着水すると同時に、海面にぶちあたった船底が「ドォォォン!」と大きな音を立て、船体が軋みました。これは…タイタニック的に2つになってしまうのでは?と不安がよぎりました。あたりを見回しますが、デカプリオらしき人物は見当たりません。イケメンも見当たりません。所詮私はモブだということでしょうか。


ここで私の心配は3つ。
1. 船酔いしたらやばい
2. トイレが近くには4つしかない
3. 船沈まないよね…?

とにかく寝てしまいたいと思うのですが、人間こういう時はなかなか眠れません。時間が経つにつれ、だんだん気持ち悪くなってきました。これはまずいぞ。ゲップしたいのに、ゲップしたらゲロ出そうだぞ、と。

その時、私はある事に気付いたのです。ずばり、それがフェリーの船酔い攻略法なのです。その方法とは…

波に合わせて呼吸をすること!!

波がぐんと船体を持ち上げて浮遊する時に、静かに深く息を吸い込みます。その時、なるべくお腹の方から胸の方へと、下から上へと空気が移動するように意識しながら、空気を鼻から吸い込みます。そうすると、特に脳に響く浮遊感が軽減されました。

そして船が波を登りきると、一瞬止まります。ちょうど頂点に達したジェットコースターが、止まったように感じるように。その瞬間に、息を吸い切ります。

そして、船が波を滑り降りるというか、海面に落下着水するときに、静かに息を吐きます。

これが、めちゃめちゃ効くんです。私はとにかく自分の呼吸法と波に最新の注意を払いました。すると、どうでしょう…!気持ち悪さがなくなり、気付いたら寝ていました!!

波や重力に逆らうから、苦しいのです。もしも悪天候の日にフェリーを利用する時は、この呼吸を思い出してください。

ちなみにフェリーの敵は、なにも波だけではありません。そう、最大の敵は…もらいゲロ。

私はスリーピングポッドという、リクライニングシートが50ほど並んだ小さな相部屋を予約しました。そこには家族連れから、年配の方までさまざまな方がいました。最初の3時間はまだ誰も吐かなかった。

しかし…出航して5時間ほど経った、深夜。周囲で異変が起こり始めました。まず、男性がエチケット袋に吐き始めます。正直部屋の外のラウンジで吐いてほしい。しかし本人にはきっとそんな余裕はないのでしょう。

その次に、女性が数名吐き始めました。苦しそうです。

悲劇はこの後でした。再び波を乗り越えようと、持ち上がる船体。船が頂点に達したときに、同じく限界に達していた少年がこらえきれずゲロをぶちまけました。効果音まで聞こえそうなほど、勢いよく…ね。

その後も揺れに合わせて、少年は吐き続けます。となりにいた母が「トイレに行こう」と言いますが、少年は弱々しい声で一言。

I can’t.... おえぇぇぇ

可哀想に。相当辛そうです。しかし、私も必死。においにあてられたら終わりだと言うことは重々承知していたので、カーディガンを頭から羽織りガードしました。

その後船員さんがやってきて、床やシートを丁寧に掃除していました。大変な仕事ですね…。しかしそのときに撒かれた、アルコールの匂いが、不快感をもたらす事になろうとは。

そして、吐いても吐いても楽になれない少年の事をおもいました。あれ…?吐いても吐いても楽になれない?その体験…身に覚えがあるような…!

そうです、二日酔いの時の記憶が瞬時に蘇りました。最悪です。いやしかし、船酔いは逃げる事が出来ない点で、二日酔いよりも過酷です。いずれは揺れもおさまるだろうと思いましたが、結局、一晩中揺れは続きました。

波に合わせて呼吸する。
おためしあれ。

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